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起業大国イスラエルで急成長するデジタルヘルスとBeautyTech | Pitch Tokyo -Israel Edition- #6 (2019-20)



イスラエルのイノベーション最新動向をお伝えするAniwoの旗艦イベント、Pitch Tokyo。2019-2020シーズンの第六回目となる今回のテーマはデジタルヘルス & BeautyTech。今回は資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)にて開催したイベントのパネルディスカッションの様子をお伝えする。

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デジタルヘルス

デジタルヘルスはスマートフォン、SNSやインターネットアプリケーションなどの技術によって、患者や消費者が健康や健康関連の活動をより管理・追跡しやすくするものであり、人・情報・技術およびコネクティビティが融合することで、医療と健康成果を向上させるもの。

※出典:Digital Health-FDA


BeautyTech

美容×テクノロジーのこと。一例として、デジタル機器を用いてパーソナルなニーズにきめ細かく対応するソリューションなどがあげられる。



イベントでは日本のデジタルヘルス / BeautyTech領域を牽引する有識者の方々に登壇していただき、パネルディスカッションを行った。

  • 寺田 彼日 / Aniwo, Founder and CEO

  • 中西 裕子氏 / 資生堂 R&D戦略部 R&D戦略G マネージャー

  • 白井 智之氏 / 株式会社MTG インキュベーション推進室 室長

  • 大山 知春氏 / VIVIA JAPAN株式会社 代表取締役

  • 森 雄一郎氏 / 資生堂 リサーチセンター インフォマティクスイノベーションG マネージャー

モデレーターはAniwo, Head of Japan 執行役員 事業開発担当 松山が務めた。


左から、寺田、中西氏、白井氏、大山氏、森氏

(以下敬称略)


『美容とテクノロジーを組み合わせて何ができるか』


松山:では、実際にそういった研究を行っている森さんに伺ってみたいと思います。


森氏

:そうですね。私が現在行っている研究の中で、「パーソナライズ」というキーワードは一番に出てきます。デジタルならではの価値にはいくつかパターンがありますが、そのうちの一つは「パーソナライズ」だと考えており、資生堂のグローバルな競合企業もその機会領域を狙っています。

ますます価値観が多様化していく世の中に適応していくために、重要視しているキーワードです。


白井:弊社の商品、例えば美容ローラーのReFaSIXPADは、なぜああいった形状・デザインなのかという点で、一つ一つ裏付けがあります。学術論文をベースに設計したり、実際に使用したデータをとって検証なども行っています。

白井氏

ただお客様の視点では、使ってみたけど効果が出ているのかわかりにくいという課題があります。

そこに対して、テクノロジーを用いることで効果の可視化をすることはとても価値があると思います。

こういった商品は継続して使わないと効果が実感しにくいです。しかし、継続してもらうためには何かを見せることが必要です。単純に数字に置き換えるだけでは「で?」となり、行動に結びつかないのでその「で?」のあとを考えることが、アナログとデジタルを結びつけるために重要だと考えています。


中西:弊社森が先ほど話した「パーソナライズ」という点が一つありますが、他にはAR / VRなどを通じて「体験」も変わっていくと思います。

お客様にどのような体験をしてもらうか、その設計がさらに詳細にできていく点が、美容とテクノロジーの組み合わせでもう一つのチャンスだと思います。


登壇者の様子


『美容に関する意識について、日本と海外ではどれくらいの違いがあるか』


中西:かなり違っています。海外の中でもエリアで分かれており、資生堂もターゲティングを細かく分けて商品開発をしています。

中西氏

具体的な違いとしては、香りの好みやスキンケアに対する投資の仕方などは違いがはっきりしています。

例えば韓国は化粧より美容整形に投資をする傾向があったり、ヨーロッパは化粧はシンプルに香りで自分らしさを表現する傾向があったりします。


松山:その違いは人種的なものでしょうか?


中西:どちらかというと文化的なものだと考えています。ただ、最近は急速なデジタル化によってミクスチャーになっている実感もあります。



『商品開発や投資・買収などをする場合の判断基準は何か』


白井:MTGは日本を発信拠点にして世界中で商品の販売をしていますが、売れると思っていたものが売れなかったり、売れないと思っていたものが売れたりということがよくあります。

白井氏

それは何故かというと、第一には文化があると思っていますが、その他に美容や健康というのはブームに乗っかって広がるという側面が挙げられると思います。例えば、その国内で何かしらのキーワードがヒットしていて、それから連想される商品が売れていったりします。

顔の表情筋を鍛えるPAOという商品があるのですが、日本でヒットしたので他の国でも売れると思ったら全く売れませんでした。しかしある日突然、韓国でSNSでバズった瞬間に弊社の抱えていた在庫が全てなくなるくらい売れました。

要するに、これが正解というものはないと思っています。それよりも弊社ではどういう想いで作ったかということを訴求していくことを重要視しています。


松山:特にBtoCの美容関連はSNSでのマーケティングは重要ですよね。


白井:はい。MTGはクリスティアーノ・ロナウドを広告塔に使っていますが、ロナウドがSIXPADを自身のインスタグラムに載せると「いいね!」が一日で2億近くつきます。正直桁が違うんですよね。

弊社の販売サイトは普段全然伸びないのですが、ロナウドのリンクを通じて連絡が来ることもあります。


松山:なるほど。大山さんはいかがお考えでしょうか?


大山:もし大企業でたくさんプロダクトがあるならば中には似た商品があってもいいかもしれませんが、弊社の場合はベンチャー企業で資本力がないので、商品開発の際には既存の商品とかぶらないかどうかを考えることが多いです。

大山氏

弊社はモリンガオイルの販売から始まっているので、そのイメージでちょっと変わった植物を使ったオイルなどを声かけられることが多いです。例えばオリーブオイル、ホホバオイル、南アフリカのマルーラオイルなどですね。しかし、もし他のオイルを扱うようになると商品同士でカニバってしまうと考えているので、かぶらないように作っています。

また、どんな商品が当たるのかはわからないので、ちょっと遊び心を持って商品を作ってもいいかなとも思っています。モリンガを使ったインナーケアを軸にしているのですが、裾野を広げる意味でも元々考えていなかったスイーツやお菓子を作ってみようかな、とかですね。


寺田:私の場合は、客観的なデータと感情的な側面の二つですね。

例えばイスラエルなんかはGDPに対する国内投資額といった数値に加え、個人的に面白そうだなという感情の切り口でいらっしゃる方が多いですし、本日資生堂さんと一緒にイベントを開催していることについても、資生堂さんは国内美容業界で圧倒的なナンバーワンであることと私自身資生堂さんの商品を愛用しているというポジティブな感情の二つが大きいかなと思っています。

逆に、イスラエルのスタートアップと仕事をするという話が上がった時に、そこがどんなに優れたプロダクトを作っていても経営陣と気が合わない・信頼が置けないと感じるような時は仕事をしないようにしています。

話す寺田

松山:なるほど。とても興味深いお話でした。それでは、そろそろお時間になりましたので、これにて終了とさせていただきます。

登壇者の皆様、本日はお忙しい中ご登壇いただき有難うございました!


(拍手)


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Aniwoのイベントから更なるイノベーションが創出されることを祈っている。


文章:本間

編集:本間