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小売業界×テクノロジーのもたらすインパクトとは。イスラエルRetailTech最前線— Pitch Tokyo #8 (2018–2019) RetailTech Event Report



イスラエルのイノベーション最新動向をお伝えするAniwoの旗艦イベント、Pitch Tokyo。2019年最初のテーマは小売業の進歩を支えるRetail Techだ。今回はCreww様のご協力を賜り、dock-Toranomonで開催されたイベントの様子をお伝えする。



RetailTechとは、リテール(小売)事業にAIやIoTの最新デジタル技術を導入すること、及びそれによって実現される新機軸の技術やサービスことである。 包含する範囲は幅広く、商品の店頭販売からEコマース、流通、広告、販促、レジ周りのシステム(決済システムやPOSシステム等)なども含む。

イスラエルでは現在この領域が急速な成長を見せており、250を超えるスタートアップが鎬を削っている。2018年11月末時点でイスラエル RetailTechスタートアップの総資金調達額は$1,000Mを超えると言われており、今後を注視すべき領域の一つである。


Creww株式会社 永野様から会場のご紹介をいただいた後、みずほ情報総研にてコンサルタントを務める竹岡 紫陽様による基調講演へ。

リテール業界の近況についてご説明いただいた。



続いて弊社SVP松山によるイスラエルのエコシステム紹介・2018年のスタートアップ最新情報紹介を経て、イスラエル企業のピッチへ。

今回登壇したのはリテール向けの最先端ソリューションを開発するWiseShelf / Flytrex / Traxの3社。


最初に登壇したのは食料品店やドラッグストア向けにスマートシェルフ=IoT化された棚を提供するWiseShelf

WiseShelf Co-Founder & CEO, Shalom Nakdimon氏

小売店における店頭在庫管理の分野において注目されている企業である。

同社は大量の光学センサーを埋め込んだ棚板によって棚の周囲の光の量を検知し、棚の上の在庫量を把握するシステムを構築する。棚が空の場合は全ての光が直接棚に当たるが、棚が製品で覆われている場合は影ができるので、その差を計測するという仕組みだ。

計測された明度差は機械学習によってリアルタイムで在庫状況の情報に変換され、在庫管理者のデバイスに反映される。

小売店においては、倉庫に商品があるにも関わらず店頭に並んでいないという状況によって大きな機会損失が発生しており、同社の製品はこの課題の解決に貢献する。

昨年秋にアイスランドの大手冷凍食品チェーンのアクセラレータープログラムに選定されており、今後の更なる世界的な展開が期待される企業である。


続いてはドローンの開発およびドローンによる商品のデリバリーを行うFlytrex

Flytrex Co-Founder & CEO, Yard Bash氏

Last Mileと呼ばれる小売店から顧客の所在地までの運送の簡便化を目指すこの事業領域は、Eコマースの発展と共に着実に重要度が高まっている。

Flytrexの各機体は3kgの荷重に耐え、最速55kmで飛行可能。小売店から顧客までの物理的な距離が遠い地域、或いは既存の交通網が混雑等の理由で機能しづらい地域において導入が進められている。

既にアメリカのノースダコタ州でゴルフコース内でのハンバーガー提供サービスを開始している。

2019年1月にはシリーズBラウンドで$7.5Mの資金調達を発表するなど、ドローン業界で最も注目を集めている企業の一つである。


最後を飾るのは、当該領域で最大規模の事業を展開するTrax。今回は日本オフィスの責任者である會川様にお越しいただき、ピッチをご発表いただいた。

會川 和弘氏 / Trax Technologies Solutions, Sales Director, Japan 東京及び上海で複数の外資系広告会社でグローバル大手消費材メーカー担当後 米国のデータ・アナリティクス企業のスタートアップ(Neuster/MarketShare)の営業責任者を経て、2017年にイスラエル発でシンガポールに本社を置くTrax Technologies Solutionsに 日本オフィス立ち上げのため日本で最初の社員として参画、現在に至る。

Traxはストア内の写真や動画を分析し、在庫状況を把握するソリューションを提供。また、最適な商品配置のを独自のアルゴリズムから瞬時に算出し、ダッシュボード上で市場分析・ストアマネジメント・在庫管理などの実店舗で必要なデータを全て取得することが可能となっている。

消費財向けにはコカ・コーラやペプシコ、小売向けにはウォルマートなど、グローバルブランドへの導入実績を持ち、累計資金調達額は$250Mを誇るユニコーン候補である。





続いて今回のゲストであるMcKinsey & Company, Inc. Japan様より、自社のスタートアップに関わる取組みをご紹介いただいた。



最後にゲストを交えたパネルディスカッションが開催された。

パネリストは以下の方々にご登壇いただき、モデレーターはAniwo, Ltd. Senior Vice President of Business Development 松山が務めた。


< パネリスト >

  • 竹岡 紫陽氏 / みずほ情報総研 コンサルタント

  • 阿部 愛氏 / 600株式会社 Employee Experience 執行役員

  • 船石 智彦氏 / McKinsey & Company, Inc. Japan パートナー

  • 會川 和弘氏 / Trax Technologies Solutions, Sales Director, Japan


ディスカッションでは「日本リテール業界の課題」を中心に議論が進み、パネリストによればEコマースの進展によるフィジカルな売場の消失に伴い、店舗基準思考からの脱却が日本市場に必要とされているとのこと。


パネリストにオフィス向け自動販売機の運用を行う600株式会社の阿部様がいらっしゃったこともあり、従来の小売形態とは異なる新たな小売チャネルの進展に会場の興味が集まっている様子だった。


また、日本が世界的に遅れをとっているリテールとデジタルの共存、最適化にも議論が及び、Traxに代表されるようなテクノロジーを積極的に導入していく必要性が説かれた。


ディスカッション終了後にはパネリストの周りに多くの来場者が列をなし、この議論に対する来場者の興味の高さをうかがい知ることができた。



次回のAniwo主催イベントは2019年2月27日(水)永田町GRiDにて「Sharing Economy」をテーマに開催する。

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Aniwoのイベントから更なるイノベーションが創出されることを祈っている。


文責:Aniwo 服部

編集:Aniwo 黒須

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