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世界中が投資するイスラエルAIスタートアップの秘密 | Pitch Tokyo -Israel Edition- #5 (2019-20)



イスラエルのイノベーション最新動向をお伝えするAniwoの旗艦イベント、Pitch Tokyo。2019-2020シーズンの第五回目となる今回のテーマはAI。今回はInspired.Labにて開催したイベントのパネルディスカッションの様子をお伝えする。

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AI(人工知能)

言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術。人工知能を取り入れた応用分野として、特定分野の人間の知識を整理し、データとして蓄積しておき、問い合わせに対してその意味を理解しながら、蓄積したデータを用いて推論、判断するエキスパートシステムなどが挙げられる。また、人間のしゃべる言葉や手書き文字を理解するパターン認識や機械翻訳システムなどにも人工知能の技術が応用されている。

※出典:人工知能(ジンコウチノウ)とは - コトバンク



イベントでは日本のAI領域を牽引する有識者の方々に登壇していただき、パネルディスカッションを行った。

モデレーターはAniwo, Head of Japan 執行役員 事業開発担当 松山が務めた。


左から、Mika氏、結城氏、木村氏、松山

(以下敬称略)



木村 忠昭

株式会社アドライト 代表取締役

大学院卒業後、大手監査法人に入社し、株式公開支援業務に従事。 2008年、イノベーション共創を手掛ける株式会社アドライトを創業。合わせて国内スタートアップ企業へ社外役員就任によるハンズオン支援を行い、うち5社(ユーグレナ、じげん、クラウドワークス、エスエルディー、マネーフォワード)が上場を果たす。アジアやアメリカの海外スタートアップ企業の支援にも積極的で、これまでに20社以上の投資育成を行いうち3社が買収される。これら国内外スタートアップの知見やネットワークを活かし、大手企業のオープンイノベーションにおける一気通貫での事業化支援を得意とする。主要な国立/私立大学との産学連携プロジェクトの支援実績も豊富。 東京大学経済学部経済学科、東京大学大学院経済学研究科修士課程卒業。



結城 伸哉

株式会社Elix 代表取締役

1984年 7月22日生まれ。 理学博士。大学院生時代はスーパーコンピュータを利用したシミュレーションで宇宙物理の研究に従事。株式会社ディー・エヌ・エーにエンジニアとして入社。その後、2013年よりシンガポール現地法人のスタートアップLCO-Creationに就業し、外国人エンジニアチームをリード。2016年に株式会社Elixを創業。 2003年~2007年 山形大学 理学部物理学科 2007年~2009年 山形大学大学院 理工学研究科 博士前期課程 2009年~2012年 山形大学大学院 理工学研究科 博士後期課程 2012年~2013年 株式会社ディー・エヌ・エー エンジニア 2013年~2016年 LCO-Creation 社(シンガポール)シニアエンジニア 2016年~現在 株式会社Elix 代表取締役に就任


Mika Zuckerman

AWL株式会社 プロジェクトマネージャー

1992年イギリス生まれ。日本人の母とイスラエル人の父を持つ。 大学まで日本で教育を受け、卒業後イスラエルへ移住し現地AIスタートアップへ入社。 約4年を過ごした後、2019年12月に日本帰国。 現在はAWL株式会社のプロジェクトマネジャーとしてリテール店舗に向けたAIカメラソリューションを提供している。




トピック1.『人工知能はどのような産業に適しているのか?


松山:AIという言葉がバズワードとなり、必須ではないのにサービスに組み込まれていることも見受けられますが、実際にAIの利用に適している産業はどこなのでしょうか?


木村:個人的には人間による熟練の技が使われているような伝統的な産業は相性がいいと考えています。現状のAIは、見落としなどのヒューマンエラーを解消してくれる技術的ツールなので、例えば工場設備の点検を行う場合など活用しやすいです。


結城:まずはじめにAIを使うと何ができて、何ができないのか、考える必要があります。現状のAIは、深く論理的に導く作業はできないことが多いです。逆に、画像の判断など一目見て判断するような作業はある程度代替できています。具体的には、自動運転で用いる画像解析や検品の際の外観検査などが挙げられます。


Mika:地方などの小さなコンビニや商店はAI導入のニーズがあると考えています。人口減少などの社会的な課題が背景にあるからです。AIの登場を不安視する声も聞きますが、AIを上手く活用していこうという認識をもっと持つことが大事だと思います。


松山:なるほど。Mikaさんが仰るように人手不足等の問題が顕在化してきていますが、そこに対してAIを用いて解決を図るという取り組みを近頃よく目にします。そこで、例えばAmazon Goの無人コンビニの取り組みをみなさんはどう感じていますか?


結城:私は実際にAmazon Goをシアトルで体験しましたが、非常に便利だと感じました。現在はまだ運営するために高いコストがかかっていますが、近い将来もっと安く運営できるようになれば、AIを活用した店舗がもっと増えると思います。


木村:人手不足の対応としてAIの活用ももちろん一つの方法だと思いますが、もう一段手前の「自動化」でもっとやれることがあるとも考えています。例えばレジ打ち等は自動化で更に楽になる業務の一つです。何でもかんでもAIを使おうと考えるのはハードルが高いと思います。


松山:そうですね。Amazon等の巨大プラットフォーマーだからできている部分も大きいと思います。そこに対して新興企業の参入は可能なものなんでしょうか?


Mika:ブランド力的な観点では勝つのは難しいかもしれません。しかし、現在Amazon Goは店舗内で大量のカメラを使って人間の動きを捉えるというアプローチをとっています。なので、そこまで多くのカメラを使わずコストを抑える等のアプローチを取れれば参入可能ではないかと考えています。



トピック2.『日本の規制についてはどう思うか?


木村:私は規制はチャンスだと考えています。市場がグレーゾーンである間は大手企業の動きが遅いので、スタートアップに有利に働くからです。

ですが、規制がいつ緩和されるかはとても想定しづらく、特に金融系は規制が強固だと思うので事業を行う上でなかなか苦労する領域だと思います。


松山:そういう場合は政治家などにかけあったりすることもあるのでしょうか?


木村:海外企業はそういった動きもとっていることが多いです。日本においても、ベンチャー企業なら一点突破でそういったことをできることもあるが、大手企業だとなかなか難しい動きだと思います。


松山:なるほど。参加者の方から質問などありますか?


参加者A:音声系のAIは今後かなり伸びる領域の一つだと思うのですが、みなさんはどう考えていますか?


結城:音声系AIの領域でも現在多くのスタートアップが存在していますが、私はデータセットのサンプル数が少ないことがネックだと感じており、サンプルを用意する過程でプライバシーの問題が発生しやすいです。

例えば、音声データを集めるために通話等を勝手に録音してしまうことはプライバシーの問題がありますよね。なので、音声系に関しては技術的な問題よりも、サンプル数を確保するハードルの高さが問題だと感じています。

十分なサンプル数を用意できるようになれば、今後伸びていくと思います。


松山:これもある意味、データを集める際の規制の話ですね。


参加者B:データ保護の観点で国ごとの違いを教えていただきたい。


結城:そうですね。あまり大きな違いはないと思いますが、強いていうならば、私はEUが一番厳しいという印象を持っています。現にGDPR(一般データ保護規則)を施行するなど、規制をしっかり行っています。

2019年はGoogleやFacebook等の大量のデータを扱っている企業がメディアによって叩かれているシーンが多くありました。これらの流れはEUから波及してきたものだと思います。もちろん程度の差はありますが、中国等の方がEUよりもデータに関する規制は緩いイメージがありますね。


松山:なるほど。とても興味深いお話でした。それでは、そろそろお時間になりましたので、これにて終了とさせていただきます。

木村さん、結城さん、Mikaさん、本日はお忙しい中ご登壇いただき有難うございました!


(拍手)


次回のPitch Tokyoは1月29日(水)に資生堂グローバルイノベーションセンターにて「デジタルヘルス & BeautyTech」をテーマに開催します。



チケットの購入はこちら | https://pt6digitalhealthbeautytech2020.peatix.com/


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Aniwoのイベントから更なるイノベーションが創出されることを祈っている。


文章:藤田

編集:本間

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